毎日をちょっとよく。- 自分に変えられるもの –

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自分でコントロールできるものとできないもの

 想像してみてください。

 あなたは、来週の休日に沖縄旅行に行きます。その旅行に向けた準備として、あなたが「コントロールできるもの」と「コントロールできないもの」は何でしょうか?語群の中で整理してみてください。

※「コントロールできる」とは、「自分の力で何とかできる」というイメージです。

当日の天気   着ていく服   沖縄の観光地のリサーチ   当日の飛行機の混雑状況     持っていくお金  現地で出会う人   沖縄で買うもの  沖縄の景気  沖縄で食べるもの   沖縄の人たちの気分   当日に見る夢

 いかがでしょうか?

 自分でコントロールを「できるもの」と「できないもの」があったかと思います。ビジネス書「7つの習慣」ではこの2つを「自分が影響を与えコントロールできるもの」と「関心はもっているが自分ではコントロールできないもの」に整理されています。これを「影響の輪」と「関心の輪」と言います。

影響の輪 ▶︎ 自分が影響を与えコントロールできるもの

関心の輪 ▶︎ 関心はもっているが、自分ではコントロールできないもの

 関心の輪に入るものは、基本的に自分ではコントロールできません。沖縄旅行の例だと、当日の天気や沖縄の景気、当日に見る夢などが当てはまります。

 一方、影響の輪には、自分の力でどうにかコントロールできるものが入ります。当日に着ていく服や持っていくお金、沖縄で買うものなどが当てはまります。

 このように、この世界の全ての事柄は、影響の輪(自分でコントロールできるもの)と関心の輪(自分ではコントロールできないもの)に振り分けられています。

エネルギーを注ぐべきもの

 7つの習慣の中には「自分がコントロールできることにエネルギーを注ぎ、自分の周りの環境を変えていこう!」というメッセージがあります。

 例えば会社の中で「自分が上司から信頼されること」は、自分ではコントロールできません。ですが、「上司から信頼されるように取り組むこと」は自分でコントロールできます。それは、「誠実に自分の仕事に集中すること」かもしれませんし、「自分の言動に責任をもつこと」かもしれません。

自分が上司から信頼されること  ▶︎ 関心の輪(自分ではコントロールできない)

誠実に自分の仕事に集中すること ▶︎ 影響の輪(自分でコントロールできる)

 どちらにエネルギーを注いでいくかで、訪れる未来は変わってきます。

 自分でどうにかできそうな「影響の輪」にたくさんのエネルギーを注いでいくことで、自分の可能性を広げていくことができるのです。

どう生きるか?」はコントロールできる

 影響の輪にこだわっている人と関心の輪にこだわっている人で、その後の未来は大きく変わってきます。そこには、その人の「生き方」が出ます。7つの習慣では両者の生き方を2通りの人格で整理されています。

関心の輪にエネルギーを注ぐ人 ▶︎ 反応的な人

影響の輪にエネルギーを注ぐ人 ▶︎ 主体的な人

 両者の人の生き方を、いくつかの場面で見てみましょう。

 【スポーツの練習中】

反応的な人:「仲間がいいパスをくれない」▶︎「シュートが入らないのは、仲間のパスが悪いからだ!」

主体的な人:「仲間がいいパスをくれない」▶︎「どんなパスが来ても、シュートを決められるように工夫しよう!」

 【学校の授業中】

反応的な人:「先生が分かりやすく教えてくれない」▶︎「成績が上がらないのは、先生の教え方が悪いからだ!」

主体的な人:「先生が分かりやすく教えてくれない」▶︎「分かるように授業の受け方を工夫しよう!」

 自分がコントロールできるものにエネルギーを注ぐと、自分自身の未来の可能性を広げていくことができるのです。

 そして、「人がどう生きるか?」は、その人自身でコントロールできます。

人は人生のすべてを一瞬で変えることはできませんが、人生の方向性は一瞬で変えることができます。
                           本間朋弘(横浜創英中学・高等学校校長)

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